2023年6月9日、閣議決定により、特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針(分野別運用方針)の変更が行われました。この改正により、特定技能2号に移行可能な職種は建設と造船の2分野から、介護分野を除く全分野まで拡大しました。一方で、2024年12月時点においては、1号特定技能外国人数が251,594人であるのに対し、2号特定技能外国人は832人しかいないというのが現状でしたが、対象分野拡大等の影響を受け、特定技能外国人の活用は益々の広がりを見せていくことが予測されております。
特定技能2号の移行要件
そもそも、特定技能2号の在留資格を取得する要件として、技能水準+実務経験(外食・農業分野では日本語能力(N3)必須)が要求されるところ、特定技能1号は「相当程度の知識又は経験」が求められるのに対し、特定技能2号は「熟練した技能」が求められるためより高い技能水準が必要であると言えます。特に実務経験に関しては指導的立場としての経験が分野ごとに応じて2~3年程度求められるため、特定技能1号の期間内でのキャリアパス設計が重要になっていると言えます。
特定技能2号への移行メリット
このように、特定技能2号への移行には一定の要件を満たす必要がありますが、一方でメリットの多い在留資格でもあります。
企業側のメリット
現在、特定技能1号では最長で5年間しか就労することができません。つまり特定技能外国人が企業に貢献し必要な人材になったとしても、5年が経過すればまた他の人材を探す必要があり、企業・外国人ともに報われない結果となっていまいます。この点を懸念する企業にとっては、特定技能外国人を雇用する大きな足かせとなっていました。そこで特定技能1号の段階から、期間の定めのない特定技能2号への移行を見据えることで、長期的な採用・育成計画が建てられるようになります。
外国人側のメリット
特定技能1号では認められていない家族の帯同ですが、特定技能2号ではこれが認められるようになります。さらに、就労期間に制限がないことから、永住権の獲得を目指すことも可能となります。
特定技能人材の活用は、行政書士までご相談ください
人手不足の深刻化が予測される現在、このように長期的に活躍してもらうことを前提とした採用を考える企業も増えています。また「育成就労」という特定技能への移行を前提とし、長期にわたり日本の産業を支える人材の確保を目的とする制度が2027年度に創設される見込であり、この制度がより多くの指導的立場を現場で担う外国人を生み出すと思われます。以上のことから、長期的な人材の育成や獲得が進む中で特定技能2号の重要性が高まるといえ、今後2号特定技能外国人の増加が予測されます。
ここまで特定技能2号に係る制度につきその一端を説明してきましたが、特定技能外国人を雇用する際には、様々な要件の該当性判断や必要書類の記入など、手続きのための準備は多岐にわたります。そこで外国人雇用を検討されている際には、行政書士などの専門家を頼るのも1つの手段かもしれません。
JAPAN行政書士法人では、これまで多くの特定技能の申請業務を行ってまいりました。特定技能に関するご相談はいつでもお受けしておりますので是非お気軽にお問い合わせください。